
ブロックエディタが変えた“テーマの役割”と、これからのサイト制作
WordPressを触っていて、こんな疑問を抱いたことはありませんか?
「ブロックで自由にデザインできるなら、テーマって意味ある?」
実際、最近のWordPressは
“コードを書かずにデザインできる”時代になりました。
- セクション背景色
- 余白・パディング
- 複数カラム
- グリッドレイアウト
- ヒーローヘッダー
- CTA
これらがブロック単位で構築できるのです。
では、WordPressテーマはもう必要ないのでしょうか?
この記事では、
WordPressの進化によって“テーマの役割がどう変わったのか”を整理し、
今後のサイト制作に求められるスキルについて解説します。
■ かつてのWordPressは「テーマがすべて」だった
旧来のWordPressは、
- テンプレートの構成
- レイアウト
- デザイン
- 一部の機能
を「テーマ(PHP)」が担っていました。
サイト制作者は、
- functions.php の編集
- 子テーマの作成
- カスタムテンプレート
- 独自CSSの追加
といった作業を避けて通れず、
テーマ変更=レイアウト崩壊 もよく起きていました。
つまり、
「テーマが提供する完成品に乗っかる」
という思想だったわけです。
■ ブロックエディタが登場して世界が変わった
Gutenberg(ブロックエディタ)が登場したことで、
- レイアウトはブロックで組む
- デザインはブロックで調整する
- テンプレートもブロックで編集できる
- CSSを触らずビジュアル操作できる
という革命が起きました。
その結果、
テーマに頼らなくても、
サイトのデザインを自作できるようになった
と言えます。
WordPressは
「テーマ依存のCMS」から
ノーコードCMS へ進化しているのです。
■ テーマの役割は“デザイン”ではなく“土台”へ
現在のテーマの役割は明確に変化しています。
昔:
見た目と構造を提供する“完成品”
今:
最低限の設計とスタイルを提供する“土台”
テーマに求められるのは、
- 初期フォーマット
- 余白やタイポグラフィ設定
- テンプレートの構造
- SEO・OGP・Schemaの整備
- アクセシビリティ
- パフォーマンス最適化
など。
つまり、
「どんな見た目のサイトにするか」は
テーマではなく“ユーザー”が決める
といえる時代です。
■ それでもテーマが必要な理由
「じゃあテーマ不要では?」と思うかもしれませんが、
実際はそうではありません。
理由はシンプルで、
ブロックを積むための基盤を設計する必要がある
からです。
- 余白が統一されているか
- 見出しのスタイルは読みやすいか
- ボタンはアクセシブルか
- Schemaは適切か
- パフォーマンスは確保されているか
こうした“根本的な設計”は、
テーマが提供します。
■ Lightningなどの「旧テーマ」はどうなる?
Lightningのような従来型テーマは、
ブロックと旧テーマを橋渡しする存在
になっています。
まだ多くのユーザーが使うと思いますが、
長期的には
- ブロックテーマの普及
- PHPテーマの衰退
- 子テーマ文化の消滅
が起きると言われています。
■ WordPressは「テーマ選びゲー」ではなくなる
従来は、
見た目の良いテーマを選べばOK
という世界でした。
しかし今後は、
テーマ=土台
デザイン=自分で作るもの
となります。
制作者に求められるのは、
- レイアウト設計能力
- ブロック設計能力
- UI/UXデザイン思考
であり、
「どのテーマを使うか?」ではなく
「どんな体験を提供するか?」が問われる
ようになります。
■ 今後のWordPressで起きる変化(予測)
今後5年で、以下が進むと言われています。
- ブロックテーマの普及
- サイトエディタ(FSE)の標準化
- ウィジェットの廃止
- 子テーマ文化の縮小
- 低コード・ノーコード化の進行
つまり、
WordPressは“初心者でもデザインできるCMS”へ進化する
と言って良いでしょう。
■ まとめ:テーマは「意味をなさなくなった」のではなく、役割が変わった
結論として、
テーマが意味をなさなくなったのではなく、
役割が変化した
と言えます。
昔のように
- デザインをテーマに丸投げ
- テンプレに依存
する必要はありません。
今は、
自分の手でサイトを構築できる時代
です。
だからこそ、
テーマ選びより“設計能力”が重要
というのが、2020年代のWordPressの姿。
■ 最後に
ブロックエディタの登場は、
- 初心者には福音
- 制作者にはチャンス
です。
「テーマに頼らなくても作れる時代」に、
どんなサイトを設計できるかが差別化になります。

