
最近、首相が台湾問題について踏み込んだ発言をし、中国側が強く反発した——そんなニュースが大きく取り上げられました。
でも、ふと思いませんか?
「今までみたいに曖昧にしておくより、懸念をちゃんと公表したほうが、逆に中国は動きづらくなるんじゃない?」
私は、この考え方はかなり理にかなっていると思っています。
■ “曖昧”って本当に日本のためだった?
これまで日本政府は、台湾に関する発言をかなり慎重に扱ってきました。
・明言すると中国が怒る
・経済に影響が出る
・外交摩擦は避けたい
こういった事情から、“触れないのが無難”という空気が長く続いてきました。
でもその結果どうなったか?
中国は「日本は何も言わない国だ」と思い、台湾への軍事的圧力をじわじわ強めてきたわけです。
沈黙は平和を守ったのか?
むしろ、変化を見逃す温床になっていたのではないか?
そんな疑問が湧いてきます。
■ あえて「懸念を表明する」という抑止力
外交の世界には「曖昧戦略(戦略的あいまいさ)」という言葉があります。
あえて立場を明確にしないことで相手に“読みづらさ”を与える戦略です。
ただ、曖昧でいるにも限度があります。
周りがどんどん軍事的に動いているのに、
こちらがずっと黙っていると——
「日本は関与しない」「何をしても大丈夫」
と解釈されるリスクのほうが高くなる。
今回の発言で中国が強く反応したということは、逆に言えば、
「日本の態度表明が効いている」
= 中国にとって都合が悪い
という見方もできます。
外交的な発言は、時に軍事的抑止力になります。
黙っていることが平和ではなく、
言うべき時に言うことで平和が守られる場面もあるわけです。
■ 問題を“見える化”した方が、国としても備えやすい
正直、台湾有事に関する議論は、日本国内で避けられてきたテーマです。
でも現実として、
・日本と台湾の距離はわずか100kmほど
・海上交通路(シーレーン)は日本経済の生命線
・台湾有事は日本有事になり得る
という地政学上の事実があります。
首相の発言を機に、
「じゃあ日本はどうする?」
という議論がようやく動き始めました。
これは、日本にとってむしろ健全なプロセスです。
問題を見て見ぬふりをしている限り、
備えも議論も進みません。
■ “言わない方が平和”は、もはや幻想かもしれない
確かに強い発言をすれば中国は怒ります。
でも、それは「摩擦」ではなく、
国際政治では当たり前のやり取りです。
むしろ怖いのは、
中国が日本の出方を「沈黙=不介入」と読み違えること。
誤解から戦争が起きた例は、歴史にいくらでもあります。
日本が立場を明確化すれば、
「日本がどう動くか予測不能」という誤算を避け、
結果的に衝突を回避する効果もあります。
■ 結論:言うべきことは言う時代に入った
もちろん、過度に刺激する必要はありません。
でも、必要な警告・懸念をきちんと伝えるのは、国家として当たり前の姿勢です。
これまでのように曖昧にしておくことよりも、
「関与する可能性がある」
「台湾有事は看過できない」
というメッセージをはっきり発信するほうが、
中国にとっては
「計画を立てづらい」「行動しにくい」
という現実的な抑止力になります。
静かに台湾侵攻を企てるより、
明確な反応が返ってくる国が近くにいる方が、中国も慎重にならざるを得ない。
私はそう考えます。
この考え、どう?w

