最近、スマホでネットを見ていると、やたら「アプリをインストールしてください」と促されることが増えましたよね。
ブラウザで見ているだけなのに、「アプリで開く」ボタンが画面の半分を占領しているサイトもあるほど。

でも、スマホにはちゃんと「スマホサイト」があるのに、なぜわざわざ「スマホアプリ」に誘導したがるのでしょうか?
今回は、その理由をわかりやすく解説します。

スマホサイトとスマホアプリの基本的な違い

まずは、スマホサイトとスマホアプリの違いを整理してみましょう。

比較項目 スマホサイト(ブラウザ) スマホアプリ
アクセス方法 Chrome や Safari などで URL を開く App Store / Google Play からインストール
更新 サーバー側の更新で即時反映 アプリのアップデートが必要
通知機能 基本不可(例外:PWA など) プッシュ通知が自由に使える
データ保存 ブラウザのキャッシュに一時保存 端末内にデータを保存可能
動作速度 通信依存で遅くなることがある ネイティブ処理で速く滑らか
オフライン利用 基本不可 一部機能をオフラインで利用可能
端末機能との連携 制限あり(カメラ・GPS など) 幅広くアクセス可能(カメラ・GPS・通知 など)

企業が「アプリ登録」を勧める本当の理由

① ユーザーを“囲い込み”できるから

ブラウザでの閲覧は、すぐに他のサイトへ移動されてしまう“通りすがり”の状態です。
しかし、アプリをインストールしてもらえれば、ホーム画面にアイコンが残り、再訪率が格段に上がります
企業にとって「消えない接点」を持てるのは非常に大きなメリットです。

② プッシュ通知でリピートを狙える

アプリを入れてもらえば、セール情報や新着ニュースをプッシュ通知で直接届けられます。
メールよりも開封率が高く、ユーザーを再び呼び戻す強力な手段になります。

③ ログインや個人データを管理しやすい

アプリではログイン状態を保持できるため、ユーザーの行動データ(閲覧履歴や購入履歴など)を細かく追跡できます。
これにより、ユーザーごとに最適なコンテンツや広告を表示することが可能になります。

④ 広告や課金を最適化しやすい

特にSNSや予約サイトなどでは、アプリ経由の方が広告や課金の仕組みをコントロールしやすくなります。
アプリ内広告の方がCTR(クリック率)が高く、収益化に有利な傾向があります。

⑤ ブランドの世界観を統一できる

ブラウザだと、機種やOSによってデザインが崩れることがあります。
一方、アプリは企業が設計した通りのデザイン・動きを再現できるため、ブランド体験を完全にコントロールできます。

ユーザーから見ると、どうなの?

正直、ユーザーからすると「わざわざアプリ入れたくない」という人も多いですよね。
容量を取るし、通知がうるさいというデメリットもあります。
ただし、アプリを入れることでログインが簡単になったり、動作が快適になったりと、便利になる面も確かにあります

結局のところ、「日常的に使うサービス」ならアプリが便利、
「たまに使うだけのサービス」ならブラウザで十分、という線引きが現実的です。

PWAという“中間的な存在”も登場

最近では、「PWA(Progressive Web App)」という新技術で、
スマホサイトでもアプリのようにホーム画面に追加できたり、通知を受け取れたりするようになっています。

例えば、TwitterやLINE NEWSのモバイル版はPWA的な仕組みを使っており、
アプリとブラウザの中間のような存在になっています。

ただし、Apple(iPhone)がPWAをあまり積極的にサポートしていないため、
完全にアプリを置き換えるにはまだ時間がかかりそうです。

まとめ:アプリ誘導は「便利さ」より「戦略」

企業がアプリを勧める一番の理由は、“ユーザーを逃さないため”です。
プッシュ通知でリピートを促し、データを活用し、ブランド体験を統一する。

つまり、

スマホサイトは「誰でも来れる場所」
アプリは「常連だけが通う店」

そんな関係性だと考えると、少し腑に落ちるかもしれません。

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